20年前のインターネットの心地よさについて考える
インターネットが発展して、本当に便利な世の中になりました。
私も、昔はよかったと嘆きながらも、どれだけの恩恵を受けているかわかりません。
ただ、この心が落ち着かない感じは一体何なのだろう、と長らく考え続けています。
矢沢あい先生の漫画「NANA」9巻に印象的なセリフがありました。
”おかしな話だよな なんで城がデカくなるほど窮屈になるんだ”
なるほど、バンドの発展とどこか似ているのかもしれない。
地元で応援してくれる人がいて、そこには確かに繋がりがある。
喜び合える関係。ファンにとっても、ある程度お互いが認知できる距離感。
知名度が上がって、ファンが増えていくたび、売れていくたび、バンド側は自分達らしく居づらくなっていく。
ファンは、自分たちが大勢の中のほんの一部である感覚を持つようになっていく。
インターネットが一般的になって 人と繋がりやすくなっているからこそ、
大勢の中のほんの一部であるちっぽけな自分に気がついて、とても悲しい気持ちになるのかもしれない。
自分が存在していることを感じられる居場所を、見つけづらくなっているのかもしれない。
元々、自分はたくさんいる大勢の中のほんの一部であることには変わりないのに。
ほどよい繋がりの中では、自分の存在感を感じられるから。